先週末、共通テストが施行されました。
今回は、数学ⅠA、ⅡBCについて講評します。
数学ⅠA、ⅡBCともに、太郎君、花子さんの対話形式が続き、出題されるタイプになって数年が経ちます。相変わらず、対話形式で数学を出題する大学は日本国内には無く、この形式で出題するのは「共通テスト」に限ります。ただ、生徒一人一人の将来がこのテストで左右される以上、対策はしなければなりません。当然授業でも扱いました。
この出題形式について感じることは多々ありますが、それ以上に疑問に思うことがあります。
数学ⅠAでは、噴水の水が放物線を描くことから始まる問題がありました。数学ⅡBCでは、水草の増え方が指数関数にに従うという出題がありました。
話は少しそれるようですが、数学という学問は一体誰のため、何のためにあるのでしょうか。様々な意見があり一意に決まることではないところですが、様々な学問の「基礎」となるのが数学であると私は考えます。
物理学や生物学、化学など理系科目はもちろん、経済学や統計学などにも応用が利くのが数学であり、まさに万物の「基礎」です。その基礎とは数式、座標軸の範囲で行われるものであり、基礎の範疇を超えたところ、すなわち応用を利かせた時点で数学とは異なる学問になってしまいます。共通テストの数学はこの領域に足を踏み込んでいます。
共通テスト数学という、数学とは性質の異なるものを学習しなければならない、これは受験生にとって本当に有意義な時間なのか、疑問です。
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